しずく医療事務を始めたけど、想像していたよりきつい。もう二度とやりたくないと思うのは、自分だけ?



こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 医療事務を二度とやりたくないと感じる理由
- 向いてる人と向いてない人の違い
- 医療事務と他の事務職の内容比較
- 自己紹介


私は医療事務として働いた経験はありません。ただ、人材業界で長く働く中で、医療事務から離れる人や、「思っていた仕事と違った」と職場選びに悩む人を数多く見てきました。
医療事務というと、
- 仕事が安定していそう
- 事務職だから体力的にも楽そう
- 病院なら景気にも左右されにくそう
そんなイメージを持つ人も多いと思います。
実際、転職先として見ると魅力的な仕事ですよね。
僕が人材業界で退職や転職の相談を見てきて感じるのは、「安定している仕事」と「自分が長く続けられる仕事」は別物だということです。
仕事そのものは覚えられても、人間関係、患者さん対応、給料、忙しさ、職場独自のルール。このどこかが自分に合わなければ、「もうやりたくない」と感じることはあります。
この記事では、人材業界で退職者を見てきた立場から、なぜ医療事務を二度とやりたくないと感じるのかを整理していきます。



辞める・続けるを決める前に、まずは「自分は何が一番しんどいのか」を整理していきましょう。
医療事務を二度とやりたくない7つの理由
- 「事務だから楽」と思ったら想像以上に忙しい
- 自分では解決できないクレーム対応がある
- 職場の人間関係から逃げにくい
- 「簡単な事務」と思ったら覚えることが多い
- 仕事内容のわりに給料が低いと感じやすい
- 昼休憩が長く拘束時間が長くなることがある
- 病院によっては土日休みとは限らない
それぞれ見てみましょう。
①:事務だから楽と思ったら想像以上に忙しい
医療事務は、座ってゆっくり作業する事務とは少し違います。
患者さんの受付をしながら電話に出て、会計や入力も進めます。とくに人数の少ないクリニックでは、一人で複数の仕事を担当することもあります。
さらに月末月初は、通常業務にレセプト作業が重なります。
レセプト作業とは
患者の治療費のうち公的医療保険が負担する分(7〜9割)を国や健康保険組合などの保険者に請求するため、診療報酬明細書(レセプト)を作成・点検・提出する一連の業務のこと
月末になると急に仕事が増える。
普段の受付が終わってからレセプトを確認するので帰りが遅くなる。
よく言われることです。
ただ、忙しさは医療事務そのものより職場の人数と分業体制でかなり変わります。
求人を見るときは平均残業時間だけでなく、「レセプト期間は何時くらいまで残ることがありますか?」まで聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。
②:自分では解決できないクレーム対応がある
医療事務がつらいのは、忙しさだけではありません。
受付にいる以上、患者さんの不満を最初に受ける立場になりやすいです。
「待ち時間が長い」「会計が高い」「呼ばれる順番がおかしい」と言われても、受付だけでは変えられないことがあります。それでも患者さんから見れば、目の前にいる受付が病院側なんですよね。
実際に僕も転職者を対応する中で、元医療事務の方から「患者さんの対応に悩む」という声もききます。
どんな職場でも同じですが、大事なのは、困ったときに責任者へ引き継げる職場かどうかです。
受付だけで何とかしてと言われる環境では、同じ患者対応でもしんどさがまるで違います。
③:職場の人間関係から逃げにくい
医療事務で人間関係がこじれると、けっこう逃げ場がありません。
とくに小さなクリニックでは、毎日ほぼ同じメンバーで働きます。受付も休憩室も一緒なので、苦手な人がいても距離を取りづらいんですよね。
しかも、医師や看護師への確認も多く、職種をまたいだ連携が欠かせません。
だから僕なら、仕事内容だけで職場を決めません。
職場見学ができるなら、スタッフ同士が質問しやすそうか、忙しいときでも声を掛け合っているかを見ます。
求人票ではわからない部分ですが、短い見学でも職場の空気は意外と出ます。
④:簡単な事務と思ったら覚えることが多い
「受付とパソコン入力くらいかな」と思って入ると、医療事務はギャップが大きいです。
一般的なパソコン操作だけでなく、保険、公費負担、診療報酬、医療用語、レセプトコンピュータなど、医療機関ならではの知識を覚える必要があります。
- 保険証や公費負担の扱い
- 診療報酬の基本ルール
- 医療用語
- レセプトコンピュータの操作
- 院内独自の受付・会計ルール
しかも未経験なら、患者さん対応をしながら覚えていきます。
一般事務の経験がある=すぐできる仕事ではないんですね。
逆にいえば、知識がついて仕事の流れが見えてくると、最初ほどの大変さは感じにくくなります。
⑤:仕事内容のわりに給料が低いと感じやすい
ここまで見てくると、「これだけ覚えるなら給料も高いのでは?」と思いますよね。
でも、医療事務は仕事内容に対して給料が見合わないと感じやすい仕事です。
患者さん対応をしながら専門知識を覚え、職場によってはレセプトまで担当します。それでも昇給幅が小さければ、「これだけやってこの給料か」と感じるのは自然です。
給料だけを見るなら、医療事務にこだわらず一般事務や営業事務まで広げた方が条件を上げられるケースもあります。
医療事務を続けるなら、入社時の月給だけではなく、賞与・昇給・資格手当まで含めて見てください。
⑥:昼休憩が長く拘束時間が長くなることがある
医療事務では、昼休憩が90分以上ある職場もあります。
「休憩が長いならいいじゃん」と思いますよね。
ただ、見てほしいのは実働時間ではなく拘束時間です。
| 勤務例 | 実働 | 休憩 | 職場にいる時間 |
|---|---|---|---|
| 8:30〜17:30 | 7.5時間 | 1.5時間 | 9時間 |
| 9:00〜18:30 | 8時間 | 1.5時間 | 9.5時間 |
クリニックでは午前診療と午後診療の間が長く、そのぶん帰宅時間も遅くなります。
家が近ければ便利ですが、通勤時間が長い人にはけっこう負担です。
とくに子育てや家事との両立を考えているなら、求人票の「勤務時間」だけではなく、家を出てから帰るまでの時間で考えてみてください。
⑦:病院によっては土日休みとは限らない
最後は休日です。
医療事務も事務職なので、「基本は土日祝休み」と思っている人は注意してください。
| 職場 | よくある休み方 |
|---|---|
| 一般企業 | 土日祝休み |
| 大規模病院 | 週休2日、またはシフト制 |
| クリニック | 平日半休+日祝、土曜午前出勤 |
個人クリニックでは、土曜午前に診療しているところも多いです。
年間休日だけ見れば悪くなくても、毎週土曜に出勤する働き方が自分の生活に合うかは別問題なんですよね。
逆に平日休みが欲しい人にはメリットになります。
休日数だけではなく、「何曜日に休めるのか」まで見てから応募するのがおすすめです。
医療事務を二度とやりたくないと思う人・思わない人の違い
ここまでデメリットを中心に見てきました。
では、医療事務は誰がやってもつらい仕事なのかというと、そうでもありません。
同じ忙しさでも、もう無理と感じる人もいれば、むしろ時間が早く過ぎて楽しいと感じる人もいます。
違いは、医療事務の働き方と自分が仕事に求めるものが合っているかです。
医療事務を二度とやりたくないと思う人の3つの特徴
①:人とのやり取りで疲れやすい
医療事務は、黙々とパソコンに向かうだけの仕事ではありません。
患者さんはもちろん、医師や看護師、ほかの事務スタッフとも頻繁にやり取りします。とくに、相手の強い言い方や不機嫌な態度を引きずりやすい人は、仕事内容より人との関わりで疲れてしまうかもしれません。
受付中心の職場ほど、この傾向は強くなります。
②:忙しい環境やマルチタスクが苦手
「受付に患者さんが来た。電話も鳴った。会計待ちもいる。」
医療事務では、こうした場面で何から対応するかをその都度判断します。
一つの仕事を最後まで終えてから次へ進みたい人には、途中で別の仕事が割り込んでくる環境はかなりストレスです。
逆に、忙しい方が時間が早く感じる人や、順番を組み立てて処理するのが好きな人なら、この部分はそこまで苦にならないでしょう。
③:給料と仕事内容のバランスを重視する
「これだけ覚えて、これだけ対応するなら、もう少し給料が欲しい。」
ここに引っかかる人は、医療事務を続けるほど不満が大きくなりやすいです。
専門知識を身につけても、それだけで収入が一気に上がる仕事ではありません。
給料を重視するなら、医療事務だけに絞らず、一般事務や営業事務、経理なども比較してみてください。仕事内容ではなく、自分が何に対して給料を求めるのかで選んだ方が後悔しにくいです。
医療事務を二度とやりたくないと思わない人の3つの特徴
①:人と接することがそこまで苦にならない
ここはさっきの逆ですね。
患者さんとの会話が苦にならず、ありがとうと言われることにやりがいを感じる人は、医療事務の対人業務をプラスに受け取りやすいです。
医療事務は、黙々と処理して終わる仕事ではありません。目の前の患者さんが安心して帰っていくのを直接見られる仕事でもあります。
接客が好きだけど、販売ノルマのある仕事は避けたい人には合いやすいです。
②:忙しい方が時間が早く過ぎると感じる
暇な職場で時計ばかり見る方が苦痛という人もいます。
医療事務は、受付、電話、会計、レセプトとやることが途切れにくいため、忙しい環境が合う人には時間が早く過ぎます。
月末月初をチームで乗り切ったときに達成感を感じるタイプなら、忙しさがそのまま苦痛になるとは限りません。
大事なのは、忙しいかどうかではなく、自分が忙しさをどう感じるかです。
③:高収入より安定や働きやすさを重視する
医療機関は全国にあります。
そのため、引っ越しやライフステージの変化があっても、経験を活かせる職場を探しやすいのは医療事務の強みです。
高い年収より、家から近い、残業が少ない、午前だけ働ける、長く続けやすいといった条件を優先する人には選びやすい仕事です。
もちろん職場差はありますが、何を優先して働くかがはっきりしている人ほど、医療事務を続ける理由も見つけやすいでしょう。
医療事務と一般事務の違いを5項目で比較
冒頭でも少し触れましたが、医療事務でミスマッチが起きる原因は、一般事務と同じ仕事だと思ってしまうことです。
名前にはどちらも事務と入りますが、実際の働き方はけっこう違います。
| 比較項目 | 医療事務 | 一般事務 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 受付、会計、レセプト、患者対応 | 書類作成、入力、電話、社内サポート |
| 必要な知識 | 医療保険、診療報酬、医療用語 | PC操作、社内ルール、ビジネスマナー |
| 人と接する頻度 | 高い。患者さん対応が多い | 職場による。社内対応が中心 |
| 給料 | 勤務先で差が大きい | 業界や職種で選択肢が広い |
| 休日 | 診療日に左右される | 土日祝休みの求人が比較的多い |
大きな違いは、医療事務は事務処理と接客がセットになっていることです。
一般事務でも電話や来客対応はあります。ただ、医療事務は目の前に患者さんがいて、その人の受付から会計まで関わるため、対人業務の比率が高くなります。
そしてもう一つが専門知識です。
一般事務は会社が変わってもWordやExcel、電話対応など経験を横展開しやすいです。一方、医療事務は医療保険や診療報酬の知識が仕事の中心に入ります。
もう一つ、転職後のつぶしやすさにも違いがあります。
一般事務で身につけたExcel、資料作成、電話対応などは、多くの業界で使いやすいスキルです。医療事務のレセプト経験は医療機関では強みになりますが、別業界へ移るとそのまま使えない部分もあります。
そのため、今後も医療業界で働きたいのか、事務職として業界をまたいで働きたいのかも考えておくといいでしょう。
どちらが上という話ではありません。
人と接する事務がしたいなら医療事務、社内でのサポート業務を中心にしたいなら一般事務。このくらい分けて考えると、自分に合う方を選びやすくなります。
医療事務を検討している人からよくある質問
最後に、医療事務への転職を考えている人が気になりやすいポイントをまとめます。
医療事務の平均年収はどのくらい?
医療事務の年収は、勤務先と雇用形態でかなり変わります。
厚生労働省の医療経済に関する調査では、常勤の医療事務員について病院では400万円台、診療所では300万円台のデータがあります。一方、求人データをもとにした集計では病院、診療所とも300万円台半ばの水準も見られます。
つまり、医療事務なら一律でこの年収という見方はしない方がいいです。
求人を見るときは月給だけでなく、賞与、昇給、資格手当、残業代まで含めて比較してください。
同じ医療事務でも、病院の正社員、クリニックの正社員、派遣、パートでは条件が別物です。平均年収だけで判断するより、自分が応募できる求人を3〜5件並べて比べる方が現実的ですよ。
医療事務は他の事務職よりメンタル的にきつい?
人によりますが、患者さん対応があるぶん、一般事務とは違う種類のストレスがあります。
とくに大きいのが、自分の判断だけでは解決できない不満を受付で受けることです。
一方で、患者さんから直接感謝されるのも医療事務ならではです。
対人対応が苦手ならしんどくなりやすい。人と関わることにやりがいを感じるなら続けやすい。この差がかなり大きい仕事ですね。
未経験から医療事務に就職するにはどうすればいい?
資格がなくても応募できる求人はあります。
ただ、未経験なら医療保険やレセプトの基礎を先に勉強しておくと、入社後の負担は減らせます。
職業訓練や通信講座を利用する方法もありますし、医療事務技能審査試験や診療報酬請求事務能力認定試験などを目標に勉強する方法もあります。
資格を取れば必ず採用されるわけではありません。
それより、未経験可の求人を探しつつ、教育体制があるか、最初から一人で受付を任されないかを確認した方が実務では大事です。
まとめ:医療事務が合うかは事務職だから楽で判断しない
医療事務を二度とやりたくないと感じる理由は、単純に仕事が大変だからではありません。
事務だと思って入ったのに、患者さん対応が多い。簡単だと思ったのに、覚えることが多い。安定していると思ったのに、給料や休み方が希望と違う。
この期待とのズレが積み重なると、もう医療事務はやりたくないとなります。
反対に、最初から仕事内容を理解したうえで、人と接することが好き、忙しい環境が合う、収入より働きやすさを重視するという人なら、長く続けられる可能性があります。
大切なのは、医療事務が良い仕事か悪い仕事かを決めることではありません。
自分が仕事に求める条件と、医療事務の働き方が合っているかを見ることです。
もし今、医療事務にこだわるべきか迷っているなら、一般事務や営業事務も一緒に見てみてください。
比較してみると、医療事務を続けたいのか、それとも事務職そのものに転職したいのかが、かなりはっきりしてきますよ。

