貿易事務の仕事がきついと言われる7つの理由【向き不向きも解説】

貿易事務サムネ
しずく

貿易事務の仕事ってきついって聞くけど、本当はどうなの?未経験から転職を考えているけど、自分にできるか不安です。

ひなた

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

  • 貿易事務の仕事がきついと言われる7つの理由
  • 貿易事務に向いている人・向いてない人の特徴
  • 未経験から貿易事務に転職するときのポイント

今まで15年間、事務職に特化した派遣会社の営業をしてきました。数多くの現場に関わってきた経験から、きれいごと抜きの実態をお届けします。

結論からいうと、貿易事務がきついと言われる正体は、仕事の難しさそのものよりも、覚えることの量に対して、最初の足場が見えにくいことにあります。

現場を見てきた立場で言わせてもらうと、専門用語が多くて、ミスが許されなくて、関係者との調整に追われる。

これって、経理でも医療事務でも、ちょっと専門性のある仕事ならどこにでもある話なんですよね。貿易事務だけが特別きつい、というわけじゃない。

逆にいうと、きつさの中身が分解できて、向き不向きさえ分かってしまえば、必要以上に怖がる理由はなくなります。

むしろ専門知識とグローバルな経験が一度に身につく、おいしい職種でもあるんです。

本記事では、貿易事務がきついと言われる7つの理由を1つずつほぐしながら、向いている人の特徴や未経験からの始め方まで、解説していきます。

ひなた

3分で読めるので、転職を決める前にサクッと読んでみてくださいね。

目次

貿易事務の仕事がきついと言われる7つの理由

まずは、貿易事務の仕事がきついと言われる理由を見ていきましょう。

ひとくちに貿易事務といっても、勤務先によって任される仕事内容はけっこう変わります。

例えば、商社・メーカー・貨物輸送業者では、それぞれ担当する業務範囲が違うんですね。

  • 商社:輸出入の受発注から納期調整まで幅広く担当
  • メーカー:自社製品の輸出入に関わる書類作成や手配が中心
  • フォワーダー:貨物の輸送スケジュール調整や通関手続きがメイン

しかも、大手では役割分担が細かく決まっている一方、中小企業では1人で輸出入の手続きをまるごと任されることもあります。

しずく

つまり、同じ貿易事務でも、会社によってきつさの中身は変わるということですね。

ひなた

その通りです。ここを踏まえたうえで、貿易事務がきつい理由を7つ見ていきましょう。

  • 専門用語が多く、知識の理解が必要
  • 通関・輸送・貨物管理まで業務範囲が広い
  • 海外取引先とのやり取りで英語力が求められる
  • 納期調整など精神的に疲れる場面が多い
  • ミスが許されにくくプレッシャーが大きい
  • 繁忙期は残業やトラブル対応が増える
  • 職場によっては人間関係のストレスがある

理由①:専門用語が多く、知識の理解が必要

貿易事務の中核となる仕事は、輸出入に必要な書類の作成と管理なんですね。

具体的には、下記のような専門書類を毎日のように扱います。

  • インボイス:商業送り状(数量や価格を記載した請求書のような書類)
  • パッキングリスト:梱包明細
  • B/L(船荷証券):貨物の引き換え証
  • 原産地証明書:商品がどこの国で作られたかを証明する書類
  • 輸出入申告書:税関に提出する申告書類

これらの書類は、目的・記載内容・発行タイミングを正確に理解して作成しなければなりません。

しかも、書類の記載ミスは通関で問題を引き起こし、貨物の到着遅延につながることもあります。

そのため、細部まで正確にチェックする力が常に求められるんですね。

ExcelやERPなどのシステムで効率化している企業も多いですが、数値や項目の意味を理解していないと、正確な運用は難しいのが実情です。

ひなた

最初は専門用語に戸惑いますが、扱う書類はある程度パターン化されているので、慣れれば怖くないですよ。

理由②:通関・輸送・貨物管理まで業務範囲が広い

書類作成の話をしましたが、貿易事務の仕事はそこで終わりません。

業務範囲の広さもかなり広いんですよね。

通関や輸送の手続き、貨物の管理まで、1人の担当者が広くカバーすることが多いんです。

船便や航空便の予約・混載・保険の輸送手配があり、そこに関税計算や許可証手配といった通関申告の準備が乗ってきます。

さらに出荷状況の把握や到着遅延時の対応といった貨物管理まで含まれてくる。パソナの求人でも、輸送手段の手配や通関手続きの管理がおもな業務として挙げられています。

フォワーダー(貨物輸送業者)ならここに運送スケジュール調整まで追加されます。

ひなた

ただ、業務が広い分、貿易の全体像が身につくので、一度覚えると大きな武器になりますよ。

理由③:海外取引先とのやり取りで英語力が求められる

想像はつくと思いますが、英語をはじめとした語学力が求められることです。

貿易事務では、海外の取引先やフォワーダーとのやり取りが日常的に発生します。

メールチェックは1日に何度も必要で、内容を正確に理解して返信しなければなりません。

求人では基本的なビジネス英文メールの読み書きができるレベルが最低限とされていて、TOEIC600〜700点以上を求める企業が多いです。

会話よりも、文書の読解・作成力のほうが重視される傾向があります。しかも、書類やメールには定型表現が多いので、それを覚えてしまえば意外とまわせます。

取引先によっては、中国語やスペイン語など他言語が必要になるケースもありますよ。

ひなた

英語がペラペラじゃなくても大丈夫です。読み書きに抵抗がなければ、十分スタートラインに立てますよ。

理由④:納期調整など精神的に疲れる場面が多い

語学力の話とつながりますが、貿易事務のコミュニケーションは「英語ができればOK」では済みません。

調整業務そのものの負荷の大きさもきつい理由です。

社内外の多くの関係者と、納期や手配の調整を行う必要があるんですね。

国内外の生産工場・輸送業者・納入先・銀行など、本当にたくさんのステークホルダーが絡みます。

例えば、こんな場面
  • 急な受注が入り、取引先・運送会社・倉庫をすべて再調整
  • 輸送中のトラブルで顧客から問合せが入り、関係部署へ確認
  • 海外との時差で、回答を待つ間に締切が迫ってくる

特にトラブル時には、限られた時間で的確にさばかないといけないので、精神的にどっと疲れます。ここがきついと感じる人は多いですね。ただ、コミュニケーションが苦手でも、メモや定型文を活用して乗り切る方法はあります。

ひなた

報連相をこまめにする習慣さえ身につければ、調整業務はぐっとラクになりますよ。

理由⑤:ミスが許されにくくプレッシャーが大きい

書類や通関手続きのミスは、ビジネス全体に大きく影響します。

実際、貿易書類の作成ではミスが許されないですからね。

起こりうるミス引き起こす結果
輸入申告書の品目コードを誤る税関で貨物が一時保留に
B/Lに記載漏れがある到着地での引き取りが遅延
必要な許可証が揃わない出荷が延期に

こうしたミスは、遅延料金や追加コスト、信頼の低下につながるため、担当者には常に緊張感がともないます。

ひなた

チェックリストを作って指差し確認するだけでも、ミスはぐっと減らせますよ。

理由⑥:繁忙期は残業やトラブル対応が増える

国際取引という性質上、時差や納期対応で業務が延びやすい仕事なんですね。

特に大変なのが、年末・年度末の年内出荷ラッシュ、中国の旧正月前の駆け込み輸出入、大型連休前のまとめ手配といった時期です。

さらに台風で船が遅れたり、書類不備が発覚したりと、突発トラブルも重なってきます。

こうした時期は、通常業務に加えて調整作業が倍増するので、きついと感じやすいんですね。

理由⑦:職場によっては人間関係のストレスがある

人間関係のストレスはどの職場にも言えることですが、貿易事務でも人間関係の摩擦が起こる場合があります。

業務量が多く、納期プレッシャーの高い現場ほど、コミュニケーションがギクシャクしやすい傾向があるんですね。

一部では、手配ミスで納期連絡が遅れて上司から厳しく叱責された、部署内で仕事の進め方をめぐって意見が対立した、海外取引先との板挟みになり社内で理解されずに孤立した、といったこともあります。

人間関係の悩みは貿易事務だけのものではなく、一般事務にも共通する問題なので、過度に一般化しないようにしましょう。

貿易事務の向き不向きチェック【無料診断ゲームあり】

ここまで7つの理由を見てきましたが、結局、自分に向いているの?が気になりますよね。

そこで、貿易事務の向き不向きチェックリスト作成しました。以下タップしてみて診断してみてください。

SELF CHECK

貿易事務の向き不向き診断

6つの質問に答えて、あなたの適性をチェック

Q1 / 6

※ 結果はあくまで目安です。向いてない特徴に当てはまっても、工夫や経験でカバーできる部分はたくさんありますよ。

また、表でもチェックできるようにしていますので、チェックしてみてください。

向いている人向いてない人
正確なチェックや管理が得意細かい確認作業が苦手
調整や連絡を前向きにこなせるコミュニケーションに強い負担を感じる
語学や専門知識を学ぶ意欲がある専門用語の理解に苦手意識が強い

もちろん、これはあくまで目安です。向いてない特徴に当てはまっても、工夫や経験でカバーできる部分は多いので、参考程度に見てくださいね。

それぞれの特徴を、もう少し詳しく解説していきます。

貿易事務に向いている人の特徴3つ

まずは、貿易事務で活躍しやすい人の特徴から見ていきましょう。

ポイントは、正確性・調整力・学習意欲の3つです。

①:正確性を重視して作業できる人

請求書の数字を細かく確認したり、輸送スケジュールを漏れなく管理できる人は、貿易事務に向いています。

書類に抜け漏れがないか、複数回チェックする習慣が自然と身についている人ですね。丁寧な確認作業が苦にならないという人なら、まさに適性ありです。

②:社内外との調整を前向きにこなせる人

理由④で触れた調整業務、あれを前向きにこなせる人は強いですね。

社内の営業・製造部門や、海外担当者、物流業者とのやり取りを積極的に行える人。納期変更が必要になったときも、相手との信頼関係を保ちながら調整できる人は活躍できます。

人と関わることがそこまで苦じゃない人なら、向いていますよ。

③:英語や専門知識を学ぶ意欲がある人

輸出入の手続きや英語表現など、業務に直結する知識を自分から学べる人は伸びます。

例えば、新人時代に貿易実務検定の取得を目指すような成長意欲のある人ですね。

英語も、完璧じゃなくていいので抵抗がないレベルであればOKです。

ひなた

3つすべてに当てはまらなくても大丈夫。あとから身につけられる要素ばかりですよ。

貿易事務が向いてない人の特徴3つ

続いて、貿易事務が向いてないとされる人の特徴です。

向いている人が正確性・調整力・学習意欲だったのに対し、こちらはその裏返し。

複数案件の同時進行・コミュニケーション・専門知識の3つがキーワードになります。ただし、向いてない=絶対に無理、というわけではありません。

苦手を自覚して対策すれば、十分カバーできますよ。

①:複数案件の同時進行が苦手な人

貿易事務は、複数の船積みスケジュールや納期を同時に管理する場面が多いんですね。

一度にいろいろなことを抱えると混乱してしまう人は、ミスが重なりやすいかもしれません。

ただ、ToDoリストで案件を可視化すれば、かなり改善できますよ。

②:メール対応や調整に強い負担を感じる人

海外からの急な納期変更やクレームに対し、その都度やり取りするのがしんどい人ですね。

毎回指示待ちになってしまうと、業務がスムーズに進みません。

とはいえ、定型文やテンプレートを準備しておけば、負担はぐっと減らせます。

③:書類・専門用語の理解に苦手意識がある人

インボイスとは何か、原産地証明書の要件は何か。こうした知識を学ぼうとしない人は苦労します。

知識のインプットを面倒に感じてしまうと、常に不安がつきまといます。

逆に言えば、コツコツ学べる人なら、苦手意識は時間が解決してくれますよ。

ひなた

向いてない特徴も、ほとんどは対策できるものです。完全に当てはまっても、諦めなくて大丈夫ですよ。

未経験から貿易事務に転職するのは難しい?

ここまで読んで、未経験だけど挑戦できるの?と思った方も多いはず。

結論、未経験から貿易事務に挑戦できる求人はたくさんあります。実際、Indeedで「未経験OK 貿易事務」と検索すると、900件以上の求人が見つかります、

ただし、まったくの知識ゼロでOKというわけではなく、基本的な土台は求められます。

そのあたりのポイントを、3つに分けて解説しますね。

  • 未経験歓迎の求人はあるが基礎知識は必要
  • 派遣から経験を積み正社員を目指すルートもある
  • 就職前に身につけたい基礎知識3つ

①:未経験歓迎の求人はあるが基礎知識は必要

1つ目のポイントは、最低限の基礎力は必要だということです。

多くの未経験OK求人でも、基本的なPCスキルと英語の読み書きへの抵抗のなさは求められます。英文メールが苦にならなければ応募可、という条件の求人もありますね。

最近は、入社前研修で貿易知識や英語の基礎をゼロから学べる会社も増えています。

完全に知識や経験がない状態だと採用は難しいですが、学ぶ姿勢があれば十分チャンスはありますよ。

②:派遣から経験を積み正社員を目指すルートもある

いきなり正社員、が不安なら、派遣ルートという選択肢があります。

派遣会社には貿易事務の求人が多数あり、未経験から経験を積めるルートが用意されています。テンプスタッフでも、未経験から貿易事務を目指せると案内されていますね。

しかも待遇面でも悪くなくて、貿易・国際事務の派遣時給は平均1,529円。一般事務の1,435円より高めなんですね。

派遣でまず実務を経験して、知識を身につけてから正社員登用を目指す人も多いです。

正社員でガチっと固める前に、まず現場を知っておく。そんな入り方もアリですよ。

③:就職前に身につけたい基礎知識3つ

入社前に基礎知識を仕込んでおくと、面接でのアピールにもなりますし、入社後もスムーズです。おすすめの準備は、下記のとおりですね。

  • 貿易実務検定:輸出入の基礎知識が体系的に学べる
  • TOEIC対策:英語の読み書きレベルの目安になる
  • PCスキル:Excelの基本操作は最低限おさえておく

特に貿易実務検定は、未経験から就業を目指すうえで取得をおすすめされています。

学ぶ意欲があるという姿勢を見せられると、未経験でも採用されやすくなりますよ。

ひなた

いきなり全部やる必要はないので、まずは興味のある分野から手をつけてみてくださいね。

よくある質問

最後に、貿易事務に関するよくある質問にまとめて答えていきます。

貿易事務で働くメリット・デメリット比較してほしい

メリットとデメリットを表にまとめました。

メリットデメリット
英語や語学力を活かせる納期に追われやすい
グローバルな視野が広がる海外とのやり取りが難しい
専門知識が身につく繁忙期の残業が増える

メリットとして大きいのは、専門知識が一度身につくと他業界でも武器になる点です。

一方のデメリットは、納期プレッシャーや海外とのコミュニケーションの難しさ。

とはいえ、本記事の理由④〜⑥でも触れたとおり、これらは経験で乗り越えられる部分も多いですよ。

貿易事務の年収や求人傾向は?

貿易事務の給与は、一般事務よりやや高めの傾向があります。派遣時給の平均1,529円は前述のとおりですが、月収換算では約244,640円という試算もあります。

正社員の場合、20〜30代で年収300〜400万円台が中心ですが、大手商社や外資系ではこれを上回ることもあります。

求人傾向としては、名古屋港のある東海地方や、東京・横浜などの港湾都市で多い印象ですね。

自動車や機械など、輸出額の大きい産業が盛んな地域ほど、求人が見つかりやすいですよ。

貿易事務の将来性は?

問い:AIに取って代わられるのでは?

これ、よく聞かれる不安です。

答えとしては、グローバル化が進むなか、貿易事務の需要は今後も続くと考えられます。Indeedでも、貿易事務はこれからも必要な仕事として紹介されています。

たしかに定型業務は自動化されていくでしょう。でも、判断・交渉・トラブル対応は人にしかできない部分が多いんですね。

むしろ、定型作業から解放されて、より専門的な仕事に集中できるようになる可能性もあります。

長期的に見ても、比較的安定した職種と言えるでしょう。

貿易事務がきついと感じたとき転職先は?

貿易事務で得たスキルは、いろいろな職種に活かせます。

おもな転職先は、下記のとおりですね。

  • 海外営業:顧客対応力や英語力をそのまま活かせる
  • 購買・調達:サプライヤーとの価格交渉経験が役立つ
  • 通関士:実務経験を活かして国家資格に挑戦できる

Indeedでも、貿易事務経験が活きる職種として営業やバイヤーが挙げられています。

きついと感じても、それまでの経験はムダにならず、次のキャリアの土台になりますよ。

貿易事務の一日の流れは?

一般的な1日の流れを、表にまとめました。

時間おもな業務
9:00〜メールチェック、スケジュール確認
10:00〜輸出入書類の作成
13:00〜通関手続きの準備(関税計算など)
14:00〜顧客との連絡・納期調整
15:30〜社内会議・打ち合わせ
17:00〜報告書作成、翌日の準備

朝は、海外との時差でメールやFAXが大量に溜まっているので、その確認からスタートします。

午前は書類作成、午後は通関準備と関係者との調整、夕方は報告作業という流れが基本ですね。

もちろん、会社や職場によって担当業務は変わるので、あくまで一例として参考にしてください。

まとめ:貿易事務はきついけど、向き不向きを知れば怖くない

今回は、貿易事務の仕事がきついと言われる7つの理由について解説してきました。

記事内でもお伝えしましたが、貿易事務がきついと言われる理由は、

  • 書類の多さ
  • 業務範囲の広さ
  • 語学力
  • コミュニケーション
  • ミスのプレッシャー
  • 繁忙期
  • 人間関係

の7つに整理できます。

たしかに大変な面はありますが、どれも対策できますし、向き不向きさえ分かれば必要以上に不安になることはありません。

しかも、専門知識やグローバルな経験が身につくという、大きな魅力もある仕事です。

未経験からでも挑戦できる求人はたくさんあるので、本記事の向き不向きチェックを参考に、自分に合うかどうかを判断してみてくださいね。

まずは気になる求人をチェックしたり、貿易実務検定の勉強から始めてみるのがおすすめですよ。

今回は以上です。

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